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退職後2年7ヶ月を経て

平成18年8月2日

(このメールは15名の方にBCCで配信しています。)

 

P社の件、大変ですね。Rにもいろいろと余波があるでしょう。

在職中、工業会関係を担当させて頂いたお陰で私だけが知ってることもあると思いま す。

以下、なぜ、Pが破綻に至ったかについて私見を記します。

 

Pの現会長(現社長の親)のお父さんの代の頃のPは優秀な会社であり、その経営陣 のK一族は優れていたようです。

その根拠として、昭和50年代の湯沸器に使用されていたメカ技術は優れたものであり、

当時のRの製品より優秀であったと思います。

その当時の技術責任者は当時の社長の弟(現会長の叔父)で、工業会で大いに活躍されたさんでした。

さんは、技術委員長として長く務められ、私もいろいろな事を教えて頂き、師として尊敬する先輩のお一人です。

 

Pの経営がおかしくなり始めたのは、現会長が社長になった時点(約30年前)からと思います。

多くの方がPを辞職しRに転職したのと同時に、さんのような方も平成5年頃には退職し、

オーナ一族の一人であったため所有するPの株を全て売却しPと縁を切られました。

その証拠に普通なら子息をPに就職させるところ、二人の息子さんはPと全く縁のない仕事に就かせました。

 

現会長はアメリカに留学し、合理的経営手法を学び、それをもって社長業を行い、

自分の気に要らない者は非業に扱い、冷遇したようです。

真実の程は知りませんが、次のような話を聞いたことがあります。

 

約25年前、当時Pで設計課長をしていた人がコピーをしていたそうです。その時、

偶然現会長がその姿を見たそうです。

そして「お前に設計をすることを指示したが、コピーをすることは指示していない」と叱ったそうです。

そして明くる日、彼は守衛に回されたそうです。

 

その結果、現会長を取り巻く連中は全てイエスマンだけ。誰も反対できない雰囲気となりました。

取締役会がないことは、平成3年頃聞いておりました。

現会長のもとで進められた経営は、コスト優先で安全意識が希薄になったようです。

これに関して次のようなことがありました。

 

私が工業会の技術委員長を務めているときです。

当時、給湯器に酸欠防止装置をつける方向で検討していましたが、当時P(だけ)は

反対の意向でした。

でも、委員長として会議を運営する私は、装着する方向で審議を進めていました。

これが現会長にとっては腹が立ってしょうがなかったようです。

何とか装着を止めようと特別に現会長の意向を受けた役職者(事故の記者会見の新聞の写真で社長の隣に座っていた某氏)が会議に出席。

Pからは委員会に常任委員と意向を受けた某氏の二人が参加。こんな異例の会議が数回ありました。

更に現会長は、自社の技術力に対して過信に陥ったようです。

その結果として現れたのが、製品に対する電子化の遅れです。

当時、RはRBを創設し、電子化への準備を着々と進めてきましたが、Pは現有技術の自信からかなり遅れたようです。

その結果、市場シェアは減少し始めました。

 

これらの思想が根底にあり今回の一連の事故につながったものと思います。

そして、この破綻の根本原因は現会長の姿勢にあると思います。

更に問題なのは、事故発覚後の対応の稚拙さです。

現会長は「最初の事故から数年間は知りませんでした」と発言していますが、

何のためにこのような発言をしたのでしょうか?

まさか責任から逃れると思ったのでしょうか?「知る知らない」に関係なく、

社長は自社製品の最終責任者であり、責任を逃れる余地はありません。

むしろ逆に、社内の情報伝達の悪さを世間に暴露したこととなります。

また、「改造は会社の責任にあらず」と言うとんでも無い考え方。

設計仕様が悪く、安全意識が薄いため、特定の機種に事故が集中したわけです。

誰の目から見ても明らかなことに意味もない反論をしているわけです。

その証拠に、監督庁から異例の報告書の再提出を受けたと考えます。

Pでは、今後の対応として、事故再発防止対策案及び被害者救助案より先に人員整理案を発表しました。

視線はあくまで護身にあり、消費者重視及び会社の社会的責任にあらずです。

これら事故発覚後の対応を見ていると、現会長が今も変わらず独裁的思考に基づき指示をしているか、

もし、そうでなければ、有能な実力者がいないかの、いずれかでないかと思います。

今後、Pは大きな痛手を受け、生産規模は縮小するでしょうが、

これは本来、Rにとっても好ましいことでないと思います。

あるべき姿は、同じ中部地方を本拠地とするRとPが健全な姿で業界の両雄となり、互いに刺激しあっていくことです。

今回のメールは、昔の情報をもとにして、私見を記させて頂きましたが、

私としては、Pの事故がRにどのように影響しているかが非常に気がかりなところです。

Pの影響で一層オール電化が加速するマイナスと見るのか、Pの信用失墜によりRに

注文が増えるプラスと見るのか? そしてその影響度はどうなのか?

これから暑くなります。体調に気を付けて業務に励んでください。では又…。

 

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