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生命保険の受取人は保険金の全額を相続できるのか

ご相談内容

私の弟(被相続人)がなくなりました。弟は独身で兄弟以外は親族はいません。遺産は600万円ほどの貯金と1000万円の生命保険です。
生命保険は弟が被保険者で保険料を負担しており、受取人が私(被相続人の兄)になっています。
この場合、私は弟の相続をどのように受けるのでしょうか。
なお、兄弟は5人で2人が既に他界しており、そのうち一人には子供がありますが、他の一人は子供はなく妻がいます。

論点の整理

  1. 誰が相続人の権利があるのか(法定相続人の確定)
  2. 生命保険の保険金は相続財産になるのか(みなし相続財産)
  3. 兄弟は遺留分の権利はあるのか
  4. 相続の分割はどうなるのか

論点に対する考え方

  1. 誰が相続人の権利があるのか(法定相続人の確定)
    被相続人(本件の場合は弟)の死亡に対してその財産を相続できる人は法律で規定されています。複雑な場合は別として一般的に被相続人の配偶者、子供、両親、兄弟姉妹までが相続人となります。これを法定相続人といいます。
    相続財産を相続できる権利には、優先順位があり、配偶者と子供が第一優先で、第一優先の人がいない場合は両親が第二優先になり、第二優先人もいない場合は兄弟姉妹が相続できます。なお、兄弟姉妹が死亡している場合はその子までは親に代わって相続できます。これを代襲相続といいます。

    従って本題の場合は、生存している兄弟の2人と他界した兄弟の子の3人が法定相続人になります。

  2. 生命保険の保険金は相続財産になるのか(みなし相続財産)
    生命保険金の受け取りに関しては民法上の解釈と税法上の解釈があります。
    まず、民法上の解釈から
    弟が被保険者ですが、受取人を弟自身とした場合と、弟以外(本題の場合は兄)にした場合ではその解釈が異なります。
    • 被相続人(弟)が被保険者で且つ受取人の場合
      相続人(兄弟)が被相続人(受取人)の権利(保険金請求権)を相続によって取得するのだから、、保険金は相続財産であり相続人全員が相続することとなります。
    • 被相続人が被保険者であるが、受取人が相続人の中の指定された人(兄)の場合
      受取人の権利(保険金請求権)は当初から保険契約に基づき兄と指定されており、相続によって取得したものではない。
      従って保険金は相続財産の中には入りません。
    次は税法上の解釈は
    受取人が被相続人自身でなく相続人の中の指定された人の場合、保険金は民法上保険契約で受取人に指定された者が受取る固有の財産です。
    しかし、保険金を受け取る権利は、死亡を原因として相続人に発生することになります。従って相続税法上は、相続財産とみなして相続税を課すことにしています。そこでこれを「みなし相続財産」と呼んでいます。

    これらのことから本題の場合、次の事がいえます。
    受取人が兄に指定されているため、相続財産に含まれず、兄は保険金全額を受け取ることができます。
    しかし、相続税の観点からは、相続財産に含まれ課税されます。
  3. 兄弟は遺留分の権利はあるのか
    遺留分とは、相続人が相続財産のうち、これだけは自分のために残しておいてもらえるという部分のことで、相続財産は被相続人が自由に処分できる自由分と処分できない遺留分に分かれます。
    この遺留分は、上記の法定相続人のうち、配偶者、子供、両親にはありますが、兄弟姉妹にはありません。

    本題の場合、生命保険の死亡保険は兄にすべていくことになりますが、他の兄弟はそれに対して遺留分を主張できません。
  4. 相続の分割はどうなるのか
    相続財産は、貯金の600万円と生命保険金の1000万円です。これらについてつぎのような分割になります。
    貯金600万円
    これは被相続人が残した遺産、即ち相続財産であり、兄弟で分割する必要があります。
    分割割合は5人兄弟のうち被相続人を除き4人います。そのうち2名が生存であり、既に他界した一名には子供があり、他の一名は妻しかいません。
    既に死亡した兄弟は相続できませんが、その人に子がある場合は代襲相続できますが、子がなく妻に対しては代襲相続は認められません。
    従って、相続できるのは生存している兄弟と他界した兄弟の子の3名です。
    生命保険金1000万円
    生命保険金については上記のように全て保険契約の受取人です。

    本題の場合、兄は保険金の1000万円と預金600万円の3分の1(200万円)の合計1200万円になります。
    他の生存している兄弟の一人は預金600万円の1/3の200万円になります。
    死亡した兄弟の子は200万円になります。
    死亡した兄弟の妻には何も相続されません。

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不動産個人取引支援のミドルプラス  2014/6/16

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