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令和4年07月16日

有料老人ホーム

-------いづれくる介護が必要な場合の選択肢の一つに老人ホームがあるが--------------

入居する前にチョット考えよう

 独り身になった今、自分の身の回りの世話が不自由になった場合の自分のあり方を考えることがあります。

一人で食事をしていても美味しくないので、施設に入れば、それは改善されるのではないかと期待したりします。
その施設の一つに有料老人ホームがあります。

食事の心配はなく、体調が悪ければスタッフが駆けつけてくれる。食事は食堂で食べれば仲間ができ会話しながらできる。
そんな事を想像していました。

そんなことでいろいろ調べていたところ下記のような投稿を見つけました。
私のように有料老人ホーム入居をいづれと思っておられる方は参考までに一読されればと思い、掲載しました。

               
         ある高級有料老人ホームに一緒に入居した夫婦が「大後悔」した理由

2018/11/25() 10:00配信            現代ビジネス  太田 差惠子

  

 私は90年代から介護の現場を取材し、そのリアルな現実や有益な情報を執筆や講演、NPO活動を通して紹介しています。

  約半年ぶりに、ケイコさん(46歳、仮名)と顔を合わせる機会がありました。前に会ったときは、「両親が揃って有料老人ホームに入った」と明るく話していたのに、やけに憂鬱そうな表情をしています。

新聞広告に出ていた「介護付き有料老人ホーム」

 シングルのケイコさんは東京都内で働く会社員です。学生時代に関東の実家を出ました。いまは、片道2時間弱のところで暮らします。ケイコさんには兄がいますが、海外転勤のため、現在は「一人っ子状態」だと言います。

  実家の両親はどちらも80代です。現職時代に公務員として働いていた父親は、受給年金が多く、定年後は夫婦で度々海外旅行に出掛けるなど、ゆとりある老後を送っていました。

  しかし、3年ほど前から、母親に認知症の症状が出てきました。早い段階で受診し、治療を開始したので症状は安定していましたが、それでもここ12年で徐々に進行。「今夜の夕食は何?」と、何度も何度も聞かれると、父親は声を荒げることもあったそうです。また、ふらっと出掛けて、自宅に戻れなくなり、交番から連絡が来て、父親が迎えに行くことも複数回あったとか。

  「父は元気とはいえ、83歳。母親の世話をすることに疲れていました」とケイコさんは当時を振り返ります。「私が仕事を辞めて、実家に戻って父を手伝えば良かったのかもしれませんが、そんなことしたら私の人生がめちゃくちゃです」。

  ケイコさんは、月に1回、両親の様子を見るために実家に帰るので精一杯。ほとんどの時間は両親2人きりです。

  そんな時、父親は、新聞広告に出ていた「介護付き有料老人ホーム」に目を留めました。ケイコさんは父親から、「お母さんと老人ホームに入るのもいいかなと思うが、ケイコはどう思う?」と聞かれました。それから間もなく、父親は見学に。ちょうど夫婦で入居できる2人部屋に空きがありました。


入居後、母親の認知症が急速に進行…!

 父親は、自ら、入居を決断しました。24時間体制での介護付き。そこは、自宅からは車で30分ほどの距離で、土地勘がある立地だったことが父親のココロを惹き付けたようです。入居時に支払う前払い金は1000万円ほど。月々の支払いは2人で50万円ほど。

  「『決めた』と父から言われて、最初は、本当に大丈夫かなと心配になりました。もちろん、契約のときは両親に付き添いました。居室は明るいし、看護師さんも常駐しているし、いいところだなって。何より、父が嬉しそうにしていたので。正直、これで、親の介護の心配から解放されると思いました」とケイコさん。

  ところが……。

  両親が有料老人ホームへ転居後、ケイコさんは部署移動などで仕事が立て込み、3ヵ月目にようやく両親に会いに行きました。

  すぐに、異変に気付いたと言います。

  母親の視線が定まらず、ケイコさんの顔を見ようとしません。ケイコさんが話しかけても、「お父さん、お父さん」と言い続け、そのそばを離れようとしないのです。トイレの失敗が増え、紙オムツをしていました。

  父親は疲れた表情で、「僕は、部屋から出られないよ。出ると、お母さんが大声を出すんだ」と言いました。

  父親の不満は母親のことだけではありませんでした。入居者の多くが車いすに乗っていたり、認知症の症状があったりで、話し相手がいない様子。しかも、母親が寝ているすきに買い物や喫茶店に出掛けるのですが、いちいち外出先と帰宅時間をホームのスタッフに告げる必要があります。

  ケイコさんは、両親のことが頭から離れず、心配で、3週間後に再訪。

  すると、父親は「僕は、閉じ込められているようだ」と言いました。母親は「家に帰る。鍵はどこ?」と呟き続けています。

  父親の目頭に涙が光るのを見た時、「まずいことになった」とケイコさんは事態の深刻さに背中が震えたといいます。

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老人ホームに夫婦で入居、その「3つの誤算」

 ケイコさんの父親は、介護負担の軽減を目的に夫婦で介護付き有料老人ホームに入居しました。だというのに、なぜ、このような事態に陥ったのでしょう。

  夫婦で有料老人ホームに入るには、2通りの方法があります。1つは夫婦で過ごせる2人部屋に入るという方法。もう1つは、それぞれが個室に入るという方法です。

  介護型の老人ホームは、1人部屋が中心のため、2人部屋を見つけようとしても、適当なところが見つからないことも珍しくありません。「夫婦は一緒が良い」という考えの人が多く、埋まりやすいのでしょう。料金的にも、1人部屋を2室借りるより、2人部屋を1室借りる方が割安な選択となります。

  ケイコさんの父親が選んだホームではたまたま空きがあったため、とんとん拍子に話が進みました。しかし、特に自立の度合いが大幅に異なる両親が2人部屋に入るときは3点注意が必要です。

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1 自宅より狭くなるが大丈夫か

2 24時間体制といってもほとんどは2人きり

3 外出に制限がある場合も

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 高級な有料老人ホームといっても、通常、自宅よりは狭くなります。特に、地方では自宅は広めです。戸建てであれば部屋数も多いので、夫婦の距離感を保つことが可能です。顔を合わせたくないときは別の部屋に居るという選択をできます。

  しかし、老人ホームに入ると、2人部屋であっても、広くても1LDくらいのコンパクトな空間です。実際、ケイコさんの両親の入った居室は40uほどの、「ホテルのツインルームのような雰囲気」とのこと。ワンルームのため、両親は四六時中、顔を突き合わせていることになります。

  さらに、「24時間体制での介護」と言っても、当然ながら施設のスタッフが居室にずっと居てくれるわけではありません。結果、元気なほうの親が施設に入居してまで介護を続けるという話をしばしば聞きます。入浴やトイレ、食事の介助はスタッフがしてくれても、傍にいれば何かと目に入り世話をすることになります。「家に帰りたい」と言う母親の声も、受け止め続けなければなりません。

  母親は、自宅にいたときに、ふらっと出掛けて帰ってこられなくなることが度々ありました。介護型の老人ホームは入居者の命を預かっているのですから、そういう事態を未然に防ぐため、外出にも制限を加えることが一般的です。

  制限というほどでなくても、行先と帰宅時間を告げなければならないというのは、仕方のないことでしょう。むしろ、言わなくても良い施設の方が入居者や家族にとって不安なのではないでしょうか。

  しかし、入居者の性格によっては、いちいち報告しなければならないことに「自由を奪われた」と捉えることがあるようです。

 

「夫婦別々」が正解の場合もある

 両親揃っての入居の際には、介護度の高い方の親のことばかり考えるのではなく、介護度が低いほうの親(元気なほうの親)にとって、そこは馴染めそうな場かどうかよく検討することが大切です。体験入居できるところなら、積極的に利用したほうがいいでしょう。 

  懸念がある場合は、両親揃っての入居ではなく、介護度の高いほうの親だけ入居してもらうことを考えましょう。ケイコさんの両親の場合も、母親だけ入居し、父親は在宅を続けたほうが良かったのかもしれません。

  ホームによっては、介護の必要度合いによってフロアを変えるなど居住空間を分けているところもあります。ケイコさんの両親の場合も、両親の居室を分けることを含め、より良い策がないか施設側と相談してみることをお勧めしました。

  あるいは、両親が自宅をそのまま残しているのであれば、父親だけ退去、もしくは、寛ぎたいときには父親だけ自宅に戻る、という方法も考えられます(ただし、父親が居たり、居なかったりすると、母親が混乱する可能性も)

  いずれにしろ、両親の居住空間を分けるとなれば、別途の費用がかかることになるでしょう。資金計画の練り直しが必要となることもお忘れにならないようにしてください。



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